外人が宗教に勧誘されるまでの話

宗教の勧誘に引っかかった。

アニメイトで声掛けられて、無理やり話を進められて、ライン交換強要されて、断ったらなぜか向こうはWeChatも持っている。 
でも向こうは日本人だし、自分は外人だ。これは多分二度とメッセージ来ないだろうなってパターンかと思って、しぶしぶ同意した。

数日後、急にメッセージ来た。なんかご飯誘いたい様子。
うーん。何かうまい嘘つけてご飯誘いにくい雰囲気作っとこう、と。
「会社はブラック企業なので休み取れない!」
これで、全身で空気読む日本人の皆様なら察してくれるだろう。

また数日後。今度はいきなり、
「今日何時退勤?ご飯行ける?」
ううわ。こんな空気読めない日本人初めて見た。
ちょうど土曜日だし、断る理由考えるのも面倒だし、まあ少しくらいならいいか。あと日本語会話の練習にもなるし。

池袋。西口で中華行こうと提案したら何故か執拗に常盤台に行こう!って。
ここで気づかない自分、本当バカだな。

常盤台。すき家。会話は無難。vtuberとかアニメとか、まあオタクトークくらい、僕一人の外人でもいけるよ。
って、前に言った「ブラック企業で働いてる」って嘘が、どうやら勧誘のキモになってた。

「Aさん、最近大変でしょ?俺も前ブラックだったんだよ、今はめっちゃホワイトだけどね」
「俺はね、人生最悪のときに冨士に行って祈ったら、今の生活になったんだよ」
ここ聞き取れなかった。富士山のことか?

もう一つの取り巻きさんが割り込んで、
「俺も妹が不登校だったんだけど、〇〇さまに祈ったら社会復帰したんだよ」
〇〇は多分アイツら信じてる神様の名前

ふーん。すごいやん。

「Aさんも行ってみる?俺たちもこの後キミと別れたら〇〇さまに祈って行くんだよ。すぐ近くだよ!」

ここまで来ると、さすがに断りづらいよね。笑。

で、常盤台にある顕正会の支部に連れて行かれた。
個人情報聞かれた。名前、電話、住所(部屋番号まで)。
嘘ついてもよかったんだけど、時間なさすぎて一瞬脳死しちゃって全部言っちゃった。

次は部屋に入る。
めっちゃ丁寧にお経を渡されて、丁寧なメモまで書いていただいて、隣でずっと親切に(ブツブツと)ご教示くださる。
「南無妙法蓮華経」
(復唱)
「南無妙法蓮華経」
(復唱)
「南無妙法蓮華経」
(復唱)

終わるまで半時間くらい。これで顕正会の正式会員になる。らしい。
何故なら僕自身が提出ってわけじゃないから、「らしい」しか言えないね笑。

丁寧にお経と数珠いただいた。ありがたいありがたい。
はい解散。

その夜、家に帰ったら即退会届を出した。
そしてガスト行って一人酒飲んで飲んで飲んで、泥状態で帰った。

単身赴任の外人は寂しいよ。人と喋りたいよ。日本人と喋りたいよ。
でも話しかけてくれる日本人はこういう人たち。
そうか。そうか。なるほどね。
今晩は泥酔だ。

後日談

本当に家まで来た。ベル鳴らした。怖すぎる。

こういう時こそ共産党政権の良さをちょっと感じる。北朝鮮だったら現行反革命罪で即投獄されるのに。
でもここは自由と民主の国、日本だ。
じゃあできることは泣き寝入りだけかな。